昼休み、食堂前にて

「お、瑛士じゃーん。昼飯食った?」
「や、まだだが」
「なら一緒に食おうぜー。今日みんないなくてさー」
「しかしそれが残念なことに、私はお金を持っていないのだよ」
「えー? なんで?」
「なんでだろうね? 私にもさっぱり分からないのだが、財布の中には12円しか入っていないよ」
「えー? いつもどうしてたの?」
「知らない人からもらったりしてるかな」
「あー、瑛士モテるからねぇ」
「何の話だい? モテてるのは君の方だろう。昨日だって駅前で女の子と歩いているのを私は見たよ」
「マジで? 理恵ちゃんね、マジ可愛いよー。仕方ないからラーメンおごってやるよー」
「ほう。ありがたい」
「だから少し話し聞いて?」
「かまわないがいったいどうしたというんだ。君が珍しいな」
「今日誰もいなくて話し相手がいないんだよー!マジ寂しいの」
「ふむ、なるほどな」
「あ、今日のパスタうまそー」
「やはり学食は混んでいるなぁ」
「瑛士は最近どうなの? 彼女できた? あ、阿部教授の娘さんとどうなったの? 会ったんしょ?」
「ああ、なかなか可愛らしい子だよ。ひどく照れ屋ではあるけどね」
「ふーん。で? で? なんかした?」
「そうだな、この前泊まっていったよ。シングルベッドに二人で寝るのはなかなか厳しいね」
「マージで? そこまでいっちゃったの? どうだった? どうだった?」
「大変気持ちよかったよ。これだったら毎晩でもかまわないね」
「エロー!瑛士エロー!お前やるなぁ、すげー」
「君もくればあの素晴らしさがよく分かるよ」
「えー、無理無理。修羅場りたくないもん。やだよー。それに俺、理恵ちゃんいるし」
「そういえばそうか。ああ、君は卵は好きかい?」
「卵? ああ、うん。食べる食べる。なに、瑛士卵苦手なの?」
「あまり好んで食べないね」
「へー。好き嫌いなさそうなのにな」

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瑛士としてはベッドの寝心地の話しをしてます。そんな感じ。
名前……。というか瑛士がテンション低め……? 四六時中あんな調子じゃないってことか? なんか変な感じー!

2007/05/18


電波系彼氏

「砂糖が増えてる」
「友人がいらないと言っていたから持ってきてみたんだが、君もいらなかったかな?」
「あ、いやありがたいんですけど、え、いいんですか?」
「どうも安売りで調子乗って買いすぎたらしい。しかも彼女も同じものを買ってきたもんだからね。だから今彼の家には腐るほど砂糖があるよ」
「……あなたお友達いたんですね」
「そりゃあいるさ!私だってしがない大学生だよ。友人たちと講義を受けたり寝たり学食でご飯を食べたり飲み屋で愛について朝まで語り合ったりと、素晴らしいキャンパスライフを送っているよ!」
「え、大学生?」
「そうだよ。君は私をなんだと思っているんだい。こんなにも大学生らしい大学生はほかにいないだろう?」
「あなた初めて会ったとき天使って言いましたよね」
「言ったね。それじゃあ君は私が天使だと信じて疑わなかったのかい? 君のピュアなハートを私は今、壊してしまったというのかい?」
「いやそこまで言いませんけど。なんだ、妄想癖の強いニートだと思ってた……」
「聞こえたよ。ひどいね。君はとてもひどい。彼氏に向かって妄想癖が強い人っておかしいだろう。ああ、私のガラスのハートは今この瞬間に砕けたよ」
「いや、いやいやいや。あなた今妄想での会話をしましたよね。いつからあなたが私の彼氏になったんですか」
「そうだね、君が生まれた瞬間からかな」
「帰ってください」
「君の照れ隠しには慣れたものだよ。はっはっはっ。照れなくていい、照れなくていい」
「照れてないんで。本気で拒否なんで!」
「しかしだねぇ、君と私はカップルなのだよ。これはもう変えられない事実なのだよ」
「どこでそんなことが決められてんですか」
「私の中でにきまってるだろう」

「ああ、帰ってください」

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元気ですね。

2007/05/31


電波系彼女

「死にたい」
「は? 何言っちゃってるわけ? 死ぬって何それ。あんた死んでどうするわけ? あんたが死んで何か変わるわけ? 家族が悲しむだけでしょ? 何ふざけたこと抜かしてんの。殴ってあげようか?」
「え、ちょ、ま、え、どちら様ですか?」
「あたし? あー、天使。天使天使。あんた阿部でしょ。知ってるから、いい」
「え、や、なんで俺のなま」
「で? なんで死にたいわけ? 学校でイヤなことあった? 友達にいじめられた?」
「や、なんもないデス、よ」
「じゃあ何で死にたいわけ? あれか、彼女にふられたか」
「やーやーやー、彼女どころか好きな子すらいないスから、うん」
「やっぱ生活にラブがないから死にたいの?」
「そういうわけじゃないけど……」
「仕方ないなぁ。仕方ないから、あたしがあんたの彼女になってあげる」

「や、ありがた迷惑ですから」

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男女逆バージョン。天使はものっそいツンデレであればいい。家事は一切できなければいい。
こっちの方が書きやすいけど、ネタとしてはあっちの方がやりやすいんだろうなぁ。

2007/06/08


酔っぱらい電波系彼氏

「やあ」
「帰ってください」
「ははは。君の愛情の裏返しにはなれたがね、今はちょっと、無理かな」
「あー、あー、ちょっと、あー……気持ち悪いならなんでうちにくるんですか」
「…………」
「水、持ってくるんで、お願いですから、玄関に座り込まないでください」
「…………」
「もー!私、あなたの名前、知らないんですから困ります!」
「………じ…」
「え?」
「えー、じ」
「……もー……。えーじさん、ほら立って。腕」
「……まな」
「はいはいはいはい、立ってくださーい。歩く歩く」
「…………」
「…………」
「…………」
「で、なんでうちにきたんですか」
「君の顔を見たら、酔いがさめるかなと、思って」
「…………そんなわけないでしょう」
「君に会いたかった」
「はぁ」
「まなに会いたかった」
「……はぁ」
「まな」
「何ですか」
「私と付き合おう」
「酔っぱらいは早く寝てください」
「まな」
「えーじさん」
「まな」
「分かりましたから。それは、起きたら聞きます」
「……うん」
「気持ち悪い人は早く寝てください」
「うん……」

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「ドキドキした自分が、いた」

2007/06/21


電波系彼氏がいないとき

「愛美ー、なに、この写真」
 晴香が指をさしたのは枕元に置かれた写真立て。その中では青年が笑顔で親指を立てている。
「ああ、それ、瑛司さんの」
「えーし……ってあの電波な人?」
「そうそう」
「えー、マジで? 電波っていうからもっと暗いの想像してた」
 写真立てを手にした晴香は「へー、へー、へー」と興味深そうに青年を見ている。「愛美が置いたの?」軽い気持ちでの質問だったが、振り返った愛美の目は怖かった。
 ペットボトルを冷蔵庫に入れる手つきは荒っぽく、力まかせに冷蔵庫を閉めると上に置かれていたペットボトルキャップマスコットが揺れた。
「あの人が勝手に置いてったの」
「へぇ……。かたさないの?」
「かたづけても来たら新しいのを置いてくのよ。そこにある写真立て、全部あの人が置いてったやつだからね」
 フレームに施された装飾はとても高そうには見えないが、すごく安そうでもなかった。
 晴香が聞いてる瑛司情報の中に「お金ない」が入っているが、この写真立てたちを買うのに一体いくらかかったのだろうか。ひと月の食費ぐらいはまかなえる気がする。
「中身は変えてんだ」
「自分の写真が一枚あれば満足みたい。写真立ては写真を入れて使うものだろう、どうして飾られてないんだい、彼らの存在意義を奪って君は楽しいのかいって大真面目な顔でいわれた」
 変な人ー、と笑うのはいつものことだ。ではその変な人に好かれた愛美はなんだというのだろう。
 青年の顔は嫌いじゃなかったが、それでも愛美と変わりたいとは思わなかった。思えなかった。
「がーんばって」
 恋愛で苦労はしたくない。
 愛美が出してくれた麦茶を飲みながら晴香は笑った。

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愛美はこんな子だったかな、という探り。

2008/06/20