終業式は先週の金曜日だった。成績表をもらって、昼前には家にいた。というのに今、学校近くの駅に来ているのは何故かというと、もろもろな流れを経て矢尾さんに呼び出されたからだ。
クラスメートで隣の席、数学のノートを貸したのをきっかけにちょいちょい勉強を教えあっていた。夏休みは何人かで花火とかやった。
ワアまるで青春。俺をだしにして山田とか高橋に気があるんだと思ってた。高橋なんかまんざらじゃなさそうだったのに。
早とちりかな。でもイブにまで呼び出すなんて、しかも1対1のタイマンだ。これでもまだ俺をだしにするなら矢尾さんの勇気はすごいものだと思う。
「藤くん」
考えていたら、目の前に矢尾さんが立っていた。私服を見るのはもう何度目だろう。でもそのたびになっちゃんと矢尾さんを比べている自分がいて少し嫌になる。すごくじゃないあたり、俺は俺が好きなんだなぁ。
笑えないね、なっちゃん。
「足、出てるけど寒くないの?」
「制服でも出してるから慣れちゃったかなぁ」
「制服でも寒そうだったけどね」
「みんなが膝丈になったら寂しくなるよ。生足見れなくなって」
「かもしれないね」
笑い声が一段落つき、矢尾さんがまじめな顔になる。来るぞ、と自分の中の何かを興奮させ、俺もまじめな顔を作った。
「あのさ、もう分かってると思うんだけど」
「うん」
「私、藤くんのこと好きなんだ」
表情のかたい矢尾さんと目が合う。俺はなんて返事をするべきなんだろうか。呼び出されたときから予想はついてたのに、なんもいい案が浮かばなかった自分の脳みそを呪う。
なっちゃん、俺、まだなっちゃんのこと好きなのかなぁ。自分のことなのに全然分かんないや。どうしよう。
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「死に別れが一番いやだ」と、とある友人に言われました。確かに、生きてる側のことを考えるとあまりいい気持ちはしないよなぁと思いました。思ってはいるんだよ。
2007/12/27